2日目 in 八郎潟 (2016.06.21)


「見てみ!きのうとは全然違うよ」
「ええ、ベッタベタです」
「ホントっスね。違う所みたいっス。釣れそうっスね、社長も」

ボフッボフッ

「うぅぅぅ、朝から2発も中段突きがががぁ」
「おっ、『レディガガ』さんかい?ぺーヨン君、余裕だね。なんなら、もう2、3発どう?」
「いりませんよ。だいたい、なにゆえの中段突き?」
「『も』が、余計だろ『も』が」
「あれ?きのう不発…」
「カトちゃん、ヤバいよそれ以上は」
「えっ?なんすか、なんすか」
「兄ぃ、もう、行っちゃいましょ、こいつは置き去りで」
「あっあっあぁぁ、待って待って〜」

「川の外から始めましょう」
「いいっスねぇ、そうしましょ。なかなか無い事なんで」
「あそこの木の下、イッちゃってくださいよ、社長」
「良いの?ペーヨン君。ドピュッ!と、出ちゃうで」
「アヒャヒャヒャヒャ〜、是非とも!ドピュッ!と」
「では、遠慮なく。頼む、川島君、トォ〜」
「おお、キャストは完璧!」

カポ、カポ、スイ〜
ガバァ〜
「でたっ!メガバイト!社長やりましたね、1発目で」
「しか〜し、まったくノッて無いんだな、これが」
「マジで!?なにやってんスか、社長は」
「魚釣りですね。釣れてませんが」
「アヒャヒャヒャヒャ〜、余裕ですね」
「余裕?ンなわけ無いじゃん、敗者によ〜」
「ヨ〜、よ〜、YO〜!メ〜ンですか」
「ラッパーもどきに、かかわってる場合じゃない!行け川島君!
 第2の矢!エイッヤ〜!!」

シ〜ン

「たいへん残念でした、社長。何事も起きませんで」
「はい、全くでござる」
「このまま、橋までのゴールデンコースを流しですかね」
「そう。丹念に、舐めるように、慈しむよう、ある夜のぺ〜ヨンがごとく」
「テレるなぁ、社長ぉ、エヘヘヘヘェェ」
「兄ぃ、こんな昇天野郎は放っときで、ガンガン!イっちゃいましょ」
「あははは、ラジャーです」
「エヘヘへェェ」

「社長、どうなっちゃたんすかね?」
「なにが?昇天クン」
「あれ?またまた新ネタですか?じゃなくて、ノーバイですよ、3周して」
「まいったね、想定外だよこりゃ」
「バッシャバシャだった、きのうの方が良かったですよ」
「ペ〜ヨン並みに、昇天のはずが、下天とは。下天は夢か、だなぁ」
「解んねぇ、きょうも〜」
「いいの、いいの、おぬしは昇天してれば。極楽は上流にあり!と、みた。行くぞ!ぺ〜ヨン」
「エヘヘへェェ」
「あははは、社長またですよ、思い出しちゃったみたい」
「あやかりたいですねぇ、幸せ昇天野郎に」
「あはははは〜」

「あの橋の下で、飯にするべ」
「そうしましょ。カトちゃんお昼タイムだよ」
「兄ぃだけでしたね、アタリ有ったのは」
「そうだねぇ、かなり渋い」
「ですね。飯喰ったら、『こんな時もあるよ、だからスペシャルテク』ってのヤッて良い?」
「アヒャヒャヒャヒャ〜、長いッス。なんスか、それは?」
「まぁまぁ、お楽しみって事で。先ずは、腹ごしらえ」

ガサガサ、ゴソゴソ

「社長、何、コソコソやってますか」
「『だからスペテク』の準備中よ、ペ〜ヨン君」
「元に戻りましたね。色々で呼ばれちゃって、わけ解んないッス」
「できた。散々打ちまくった、あのオーバーハング。はたして?!」

ビュ〜ン、チャポン

「あれ?沈んじゃいましたよ、社長」
「いいんだよう、そういう使い方の、ペンシルベイトだから」
「ワーム?的な?物?」
「そう、とも、言う、ね」
「アヒャヒャヒャヒャ、やっぱり」
「きた〜!!」
「マジで〜?あんなに投げたとこなのに!」



「いるんだよ。上に興味無いだけでサ」
「なんですねぇ」
「社長が4投して、2匹釣った時は、『ヨッシャ!これからだ』と、思ったんですよ」
「勘違いだった?」
「はい」
「こっちは、濁りがひどいよね、そのせいじゃね」
「じゃ、下ぁ?朝、からっきしでしたよ」
「ベタベタに、ナギっちゃてたからだろ。今から行けば、サワサワサワサワ〜って」
「なってますかねぇ」
「ペ〜ヨン君、信ずる者は救われるんだよ」
「エエェ?!また、そんな、むずかしい」
「『むずかしかったな?花子ちゃん?』かい」
「またまた、解んねぇ」
「無着成恭先生、知らないの?」
「解んねぇ、兄ぃは?」
「はて?」
「とにかく、昇天目指して下流へ、エレキ全開!」
「エヘヘへェェ」
「社長!たいへんです。カトちゃん、竿が曲がってます」
「なんですとお!」


「ウキウキヤッホ〜!!」
「32cm。こんな中、よくぞ釣った」
「エヘヘへェェ」
「昇天真っ最中ですね」

あとがき
「おつかれ〜に、しますか?」
「はい。またしても、バッシャバシャですし」
「ウキウキ!ヤッホッホ〜!!」
「またかい。きょうこそ沈める!」
「あっあっ、ヤメ、ヤメ、ヤッホッホ〜」
「どっちなんだよ、ヤメてなの?ヤッホッホ〜なの?」
「あっあっ、両方ッス」
「あははは、カトちゃん、連勝!おめでとう」
「良かったじゃねぇの、きょうもラブコールネタできて」
「で、昇天!?」
「がはははは!3日続いたら、ホントに昇天しちゃうで」
「してみてぇ〜」
「あははは。なんか、しちゃいそうですね、社長」
「がはははは。されたら困るので、阻止しましょ、兄ぃ」
「ウキウキ!ヤッホッホ〜!!は、あしたも続きますよ〜」
「成るか?!幸せ野郎!ペ〜ヨン・カトの昇天物語」

つづく



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