「着いたよ、山田クン」
「おお!だれもいないし、釣れそうだね。ねぇ、上ちゃん」
「はい。自分も、去年来た時、そう思いました」
「えっ?来たの?社長と?」
「はい。あと矢嶋先輩と」
「ワイパー!?ヤツもいたの?」
「はい。とっても上手くて、色々教えていただきました」
「年下の先輩事件ね。聞いた聞いた、本人から」
「♪アイツは、あいつは、かわいい年ぃ下ぁの男の子〜♪」
「ああ、社長、こまってますよ、上ちゃんが」
「なんで?」
「その歌が、解らないんですよ」
「朝いちからヤッちゃった、オレ?」
「ええ、完璧に。『キョンキョン』が、アイドル歌手だったなんて」
「オイオイ、山田クン!違うっしょ!『キャンディーズ』伊藤 欄ちゃん!だよ」
「?!ウォッホッホッホ、そうでした。あの『相棒』水谷 豊 氏の現婦人。解る?上ちゃん?」
「すみません。まったく」
「わかんない、わかんねぇだろうなぁ、イェ〜」
「社長!もっと解んないですから」
「えっ?山田くんも」
「自分はわかりますけど、上ちゃんには『松鶴家千とせ』さんでしよ」
「大正解、みなさん、よ〜く覚えておきましょう」
「社長、サッサと行きませんか!?」
「おお、失敬。いざ出陣〜ん!!」
「う〜ん、おかしいなぁ、ナ〜ンにもおきない」
「いえ、社長。正確には、私に1回でました、先程」
「あっ!ややっ、ビックリ気味にアワセちゃった」
「ええ、シーズン一発目ですから、やりますよ、ねぇ、上ちゃん」
「はい、しかたないと思います、はい」
「よかったジャン、慰めてもらえて」
「ええ。で、どうなんです、前回と比べて?」
「やや減水。そのせいかなぁ、いまひとつ・・・なのは」
「じゃあ、休憩ですね」
「ええ!早くねぇ?」
「いえ社長、そんな事はありません」
「キッパリと言い切ったね。じゃあ、コーヒーいれるか」
「おっ、船上カフェ、久々ですよ」
「一息入れたら、あそこ投げてみてよ」
「おっ、良さげなくずれ石積み。では早速」
「お〜い、コーヒー?」
ピュ〜ん
ポテ、コロコロ、チャポン
「おお、関根さん並みの『岸から落ちた獲物的演出!』」
スイ、スイ、スイ〜
「あれ?出ないの?」
ガバ〜!!
「おお!やっぱり〜!いた〜!!」
「山田さん、おめでとうございます。42cmです」
「社長!チャートですよ。川島さんの『ホッパー』流石です。
うぉっほっほっほ、まぁ、こんなもんです。
さぁって、コーヒーいっただっきまぁす」
「ゆずるんじゃなかった」
「上田くん、いよいよ、そこで終わりなんだけど」
「はい、気合い入れます!」
チャポ
「なんか出ました」
「おい!バスだよ。山田クン、網網」
「い、いらないです」
「こんなサイズなんで」
「いいなぁ、28cm」
「はい、嬉しいです。ルアーはDOG-Xコアユです」