「紹介も終ったところで、早速やってみっか、皆の衆」
「すでに、7人やってますよ、社長」
「あれっ、ホントだ。幸い、オレのおすすめポイントは、空いているよ」
「おっ、道側の放水パイプんとこですね。しかも!水車が出来てますよ!社長」
「あっ、T田さんが『僕が設置する』と、言ってたヤツだ。いいね、若手組にそこでやってもらって」
「そうですね、年の順で並びますか?ねっ大下さん!」
「じゃ山田くんと隣同士で」
「って、ことは?オレは遥か向こう?」
「社長、つまんない事言ってたら、女子2人は、もう釣っちゃいましたよ」
「おお、幸先イイじゃん。実はさ、そのT田さんが『デコちん、続出』って、きのう連絡あったのよ」
「あっ、ここを教えてくれた方ですね」
「そうであります。『特にルアーはヤバイ』って」
「あれ、上田くんも掛けましたよ」
「イイね、いいね、本日のゲストが順番に釣れて」
「じゃ、次はおれか?」
「うぉっほっほっほ。いや、いや、大下さん、片山くんが先ですよ」
「キタ〜!網、あみぃ」
「あれっ、飛び越えて、社長にいっちゃいましたよ」
「あっ、バレた。針伸びてるし」
「スゴイですね、前評判どうり」
「だと、良いんだけどね、大下さん」
「コーヒーでもどうよ?皆の衆〜。パンも焼いたから」
「すみませ〜ん」
「うれしい」
「あざぁぁす」
「アタリが、無くなってきたところなんで、完璧ですよ、社長」
「釣れたの!おじさん2人は?」
「アタリはありましたよ」
「おれには、ナ〜んにも」
「おお、ノ〜バイ!大下さん?」
「うぉっほっほっほ、ルアーがね、デカイからね」
「なんだい、山田くん?君も釣ってないでしょ!!」
「え、ええ、まぁ。おじさん3人は、いまだ…ですよ。ね、社長!」
「ヤバいなぁ、『T田さん警報』の、まんまだよ」
「チョイと休憩しますか?寒いし」
「いや!おれはヤル!!」
「さっすが、つり人、大下さん。オレも休憩だな」
「いやぁ、寒かったですよ、社長」
「まったく。車ん中はあったかいね」
「眠くなりますよ」
「おお、そうだ山田クン。眠気覚ましに、どう?『バックトゥ・ザ・フィーチャー』見る?」
「見ませんよ。チョイと休んで、ガッツリ釣りますから」
「なんだよ、用意したのに。とりあえずながすから、見ながら寝れば」
「・・・・・」
「もう寝てるし」
「どうかね山田さん?休憩したかいはあった?」
「ええ、アタリは有りましたよ」
「アタリだけなんだ。大下さんは?」
「休憩しなかった事、後悔してますよ」
「うぉっほっほっほ、いまだノーバイ!」
「てめぇ、山田、早く釣れ!!」
「こりゃ失敬。社長やったほうがいいですよ」
「そんなに渋いの?続き見ようかな『バックトゥ・ザ・フィーチャー』の」
「どうですか?」
「おっ、上田くん、そっちはどうなんだい?」
「片山くん以外は、釣れました。数匹」
「おいおい、山田。人の心配より自分だろ!?」
「うぉっほっほっほっ、大下さんもね」
「こりゃ、飯喰って、午後の部期待だな。よし!めし、飯、メシ〜」
「飯もガッツリ喰ったし、昼寝もたっぷり。後は釣るのみ、ねぇ!おじさんお2人っ!!」
「社っ長、寝過ぎじゃないの?3時ですから」
「DVD見てました?」
「はい、パート3まで見てたら、寝てました。ゴールデンタイムは、これからだから」
「マジっすかぁ?」
「あれ?大下さん、いまだノーバイなわけ」
「そんなわけで」
「うぉっほっほっほっ」
「あ〜山田くん、君も釣って無いっしょ」
「えぇ、まぁ」
「来ったぁ!!」
ジッジッッジジッジ〜
「社長、すくいますよ」
「あっ、バレた」
「もう」
「また来ったぁ!」
ジ〜〜ジ〜〜
「あれ?バレましたぁ」
「早っ」
「連荘ですよぉ、ひくひくぅ!」
ジジッジ〜
「バレた」
「げっ!またぁ?」
「狼おじさんなんじゃね?ホントは」
「いやいや、大下さん、ドラグがジィジィ鳴ってたでしょ」
「スレ?」
「否!スレではない。まったく根拠は無いけど。針伸びちゃってた」
「替えてください、見えます?フックアイ」
「あ、はい、ギリギリで。針はワンタッチタイプのだから、勘でいけるし。
交換完了、行けヒットルアー、とぉ!」
「なるほど、クランク潜らせて、デットスロー引きなわけね」
「来ったぁ〜!!」
ジィ〜〜〜〜ブン
「糸、切れた」
「ダサ」
「うぉっほっほっほっ、残念でしたね、社長」
「うっうっうぅぅ、ヒットルアー持っていかれては、あきらめるしかない。終了!」
「自分もあきらめですよ、寒いし」
「なんだよ、山田くんも?俺は、お時間まで、えいっ!!」