ほんとごぶさた、その2(2015.08.22)

アタシはアメリ。
不吉な予感。だって、社長が洗濯袋と箱を用意している。
「さ〜、アメッチョ君。まいるか」
ゥニャー
「はい、着きましたよ〜」
やっぱりここなんだ。お医者さん。
「あれ!?なになに、往診中。16時から開けます。う〜ん、しょうがない、一回帰るか」
ほ、よかった。
「ただいま〜」
「あれ、旦那さん。もう終わったの?」
「いや、16時にもう一回」
「あら〜アメちゃん」グリグリグリ〜
ニャニャニャニャニャ〜
全くここの奥方はとんでもない。

「さ〜アメッチョ君。再度まいろうか」
ゥニャー
「さ〜着いたよ」
「どうしました?」
「はい。ハゲました」
「じゃあ、診察台の上に載せてください」
ブルブルブル、ブルブルブル。
「あ〜今日も大人しいね。どれどれ。あ〜」
「何ですかね?これは」
「う〜ん、アレルギーと神経性のものですね」
「あ〜なるほど」
「何か心当たりがありますか?」
「はい。嫁が食べている調理パンをしょっちゅう食べてます。と、今、縄張り荒らしが2匹来てて、毎晩戦ってます」
「あ〜なるほど。パンはあまり関係ないと思うんですが、戦いは大いに関係ありますね」
「パンは人間用なので、油とか塩気とかキツクないんですかね?」
「あります。徐々に減らしてみてはどうでしょう?」
「はい。あとは?」
「まず、ダニとかの薬がありますから、これを月に1回付けてください。こんな風に」
「あ、わかりました」
「あと、注射を打ちますか。2本ほど。すぐ治っちゃいますから」
「あ、是非。アメッチョ君、良かったね。すぐ治るってよ、注射すれば」
ニャニー
「いきますよ〜」ブツ
ゥニャー
「あ〜いい子だね〜。じゃあもう一本行くから」
ウニャニャニャニャ
「ありがとうございます」
フニー
「ただいま〜」
「あ〜ら、アメッチョ君、元気になったじゃない」
そんなことはニャイ
「いろいろやってもらったんで、しばらくは様子見だってよ」
「そうなの?アメちゃん。もうパンはお預けだね。残念だね」グリグリグリグリー
ウニャニャニャニャ

アタシはアメリ。
歳を忘れて、高脂肪食品を食べ過ぎた年増なネコ。
「アメッチョ君、このままハゲが治らなかったら、もう1回だから」
ニャニー!?

<さらに続く>


戻る

Copyright (c) 2015 WATANABE COMPANY. All rights reserved.